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【シンポジウム】「高齢者とペット@大阪ペピイ動物看護専門学校」に行ってきました

高齢者とペット

高齢者とペット

10/25(土)、大阪ペピイ動物看護専門学校で行われたシンポジウム「高齢者とペット」に行ってきました。そのレポートを稚拙ながらお届けしますー。

高齢者とペット、どんな問題があるの?

現在、日本の高齢者の人口は全体の25%にもなり、この割合はさらに多くなると予測されています。
高齢者の方の突然の入院、死亡でペットの行き場がなくなる、飼い主だけでなくペット自身も高齢になり介護ができず保健所に連れて行くしかなくなる、など様々な問題が山積のようです。

この問題から見えた意外な関係性!?

現在の高齢者とペットにまつわるいろいろなデータを見て、問題の事例のおはなしを聞きました。とくに、神戸市動物管理センターの獣医師・湯木麻里さんのお話では、愛護センターに持ち込まれるペットが決してむやみに捨てられるばかりではなく、飼い主もギリギリのところで生きている、ペットをとるか自分が死ぬか、そのような切実な選択を強いられている高齢者(高齢者にかぎらず、生活困窮者もあてはまる)の現実を聞くことができました。

「誰か預ける人がいないの?」
この疑問から、地域コミュニティの問題がみえてきます。

「息子とか娘とか、近所の人とかいないの?」
この疑問から、高齢者の方の孤立問題がみえてきます。

「里親さん探せないの?」
この疑問から、高齢者の方に選択肢がない、または知らないという問題がみえてきます。

「一緒に連れていけないの?」
この疑問から、ペットと暮らせる介護施設という課題が見えてきます。

そして、孤立問題は高齢者だけでなく、単身一人住まいの人全てにふりかかってきます。
地域コミュニティの問題は、子供の虐待問題などにもつながってきます。

「高齢者とペット」というひとつの問題点から、現代の日本が抱える様々な問題の関係性を知ることができました。

切実な気持ちを汲み取れるか?

たとえば、ペットが高齢化して歩けなくなると、介護が必要です。
床ずれしないように何回も寝返りをうたせたり、オムツ交換や、食事もうまくできないかもしれません。介護にはそうとうの労力がかかります。高齢者のかたは、自身も介護が必要だとすれば、とてもそんなケアは不可能です。

そんなときに誰にも相談できない。
預ける人なんてとてもいない。
そんなときに今まで10年以上一緒に暮らしてきた我が子のようなペットを、愛護センターに連れて行かねばならない人の気持ちはどれほどなんでしょう?想像すれば胸ははちきれそうです。

そして印象に残った湯木麻里さんの言葉です。
「その高齢者のかたの心のケアは誰がしてくれるのか?」

殺処分ゼロではなく、捨てられる命ゼロへ

おはなしのなかに、殺処分ゼロは現実的ではないというお話もありました。
確かに、どうしてもやむをえないケースはあるということで「捨てられる命ゼロ」というスローガンはしっくりくるかも、と思いました。

やむをえなく殺処分する場合も、注射による安楽死でできるだけ苦痛を伴わない方法になればいいなと思います。注射による安楽死はとてもお金がかかるそうなので、まだまだ殺処分数の多い日本では二酸化炭素ガスによる窒息死でもって行われているのだそうです。

それには、やはり殺処分される数を減らすこと。
それには、持ち込まれる数を減らす、譲渡数を増やすなどが必要です。

けれど個人的には、愛護センターがやむをえない場合をのぞき引取を拒否できるようになって動物がそこらへんに棄てられちゃうことが増えそうで心配です。

そうなると、棄てられないために飼い主のモラル向上、繁殖ブリーダーの規制などのおはなしにつながっていきます。(このへんで私の頭のキャパシティはいっぱいいっぱいですー┗(^o^;)┓)

急な入院に備える方法

では、どうやってこの問題を解決すればいいんでしょうか?

これについては、ペッツ・フォー・ライフ・ジャパン(以下、PFLJ)理事の川崎千里さんのおはなしがありました。PFLJは兵庫県を拠点に動物愛護のさまざまな活動をされていますが、「ペット飼育支援センター」という取組みのなかで、高齢者の方とペットにまつわる支援をされています。

利用条件は…
ペット飼育支援センター|ペッツ・フォー・ライフ・ジャパン
詳細は、下記リンクからどうぞ。
特定非営利活動法人PLFJ|ペット飼育支援センター

もしものときに備えておく

ほかには、元気なうちから家族、友人、まわりの人にペットのことを頼んでおく、了承を得ること。遺言書を用意しておくことなどのお話がありました。

誰かがなんとかしてくれるだろう、ではなくきちんともしもに備える。
これも飼い主としてのぜったいの責任なんですね…。

私自身も、まだ若いし健康だし、と疎かにしている部分に反省しました。
若くてもいつ倒れるか分からないですもんね。

5つの自由…?!

施設とひとくちに言っても様々で、ほんとうにペットたちにとって快適であるのかどうかはそれぞれだというお話もありました。大きな企業が運営するペットための、老犬ホームのような施設も色々あるそうですが、すごく高額だったり、狭く仕切ったサークルの中で過ごすなど、その内容もいろいろのようです。

こんなお話もありました。
犬猫の飼養管理で大切にしなければならないこととは、犬猫のニーズを満たすということ。
そのニーズとは、5つの自由である。

・飢えと渇きからの自由
・不快からの自由
・痛み、傷害、病気からの自由
・恐怖や抑圧からの自由
・正常な行動発現の自由

施設だけでなく、自分の家のねこたちに対してもちゃんとニーズに応えてあげられているのかな、と考えなおすいいきっかけになるおはなしでした。

安心してペットと暮らしていくために

高齢だからペットを飼わない、飼えないというのではなく、目指すものは、きっと高齢でも一人暮らしでも不安なくペットと暮らせるシステムです。高齢者にとって、犬や猫がどれほどの生きる希望に、癒やしになっているのかわかりません。

もちろん、そのためには高齢の人が子犬・仔猫を飼うのは避けるであったり、飼い主側のモラル指導も同時に行わなければなりません。

「高齢者とペット」というキーワードから、日本が抱える様々な問題が浮き彫りになって、わたしにとっては難しいことばかりでしたが、とっても勉強になりました。

この問題は、今後もっと深刻になっていくかもしれません。
わたしたちも年齢に関係なく、いまいちどペットとの暮らし方、もしものときについて考え準備しておくのが責任なんだなと思いました。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

■参考リンク
第2回:高齢者のために|ペット用品通販ペピイ・ペットと共に生きること
第25回:高齢化社会の中でのペット|ペット用品通販ペピイ・ペットと共に生きること
第26回:できる限り一緒に暮らすために|ペット用品通販ペピイ・ペットと共に生きること