勉強会/セミナー

大阪府の動物管理センターと、大阪市のわんにゃんセンターへ視察にいきました

大阪府の動物管理センターと、大阪市のわんにゃんセンターへ視察にいきました|nekoApartment

先日行った「いぬねこ勉強会」に参加してくださった皆さんと、今日は視察会を行いました。
視察先は、
大阪府の管轄する「動物管理センター
大阪市の管轄する「大阪わんにゃんセンター」です。

大阪府動物管理センター

管理人はわんにゃんセンターは2回目の訪問となりました(前回の訪問:大阪わんにゃんセンターに行ってきました!)記事が長くなるので2回にわけます(^^)

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大阪はそれなりにがんばってる!

2箇所を通じて率直な感想はどちらの施設も、譲渡対象の犬たちを大事にされているなというのが伝わってきました。

もちろん、大阪府も市も現状は殺処分を行っています。これが限りなくゼロに近づくことはわたしだけでなく、現場の職員さんたちの願いでもあると今日は思いました。けれど、やはり現場の職員さんは公務員であり、決まった枠組みのなかでしか基本的には仕事をできないのです。彼らに押し付ける、文句をいうのではなく、協力し理解しあいながら、民間のほうでもできることをやり、提言をしながら一緒に解決に向かっていかなければならない、とそこはとても強く思いました。

わんにゃんセンター視察(大阪市わんにゃんセンターでの施設と事業内容の説明を受けてるところ)

狂犬病の怖さをあらためて知る

大阪わんにゃんセンター視察会(狂犬病について教えてもらってるところ)
とくに、どちらの施設においても「狂犬病の怖さ」については一定の時間を設け説明されていたのが印象的です。日本国内では40年以上、国内における狂犬病の発生はありませんが、つい3年前の2013年にすぐ側の台湾で狂犬病が発生しました。それだけでなく、世界中で毎年5万人の人が狂犬病によってなくなっています

実は国内で発生したものではありませんが、2006年に日本において輸入による狂犬病が発見されています。実に36年ぶりでした。そのときは男性が海外より持ち帰り、帰国後発症した後亡くなっています。(参考:36年ぶりに国内で発生した狂犬病の臨床経過と感染予防策-横浜の事例

当時のニュースです。

ところが、日本では狂犬病ワクチンを受けず登録もせずに犬を飼育する場合も少なくないようです。人間の予防接種とおなじく、狂犬病の予防接種自体について是非を問う議論も一部ではあるようですが、それはさておき飼育モラルの責任と理解の徹底がのぞまれます。

狂犬病は犬を恐ろしく凶暴化させるだけでなく、人が噛まれたら100%死んでしまう恐ろしい病気だからです。しかも、それは中枢神経系をダメにさせ、たいへん苦しみながら死んでしまう怖いウイルスだそうです。

そして、狂犬病が今でもよく発生する地域は中国、インドなど日本のすぐ側の国なのです。(地図ピンク色の部分)
狂犬病|厚生労働省

日本の空港や港の検疫はかなり厳しく、入国のときに動物たちは厳しくチェックされます。そのおかげでこの数十年、わたしたちは安全に暮らせていますが、万が一、狂犬病が日本にはいってくる可能性はゼロとはいえません。ウイルスには潜伏期間もあります。実際に、日本でこの数年起こった家畜伝染病の「口蹄疫」は90年ぶりに、「鳥インフルエンザ」は72年ぶりに発生しました。

動物管理センター、愛護センターの役割とは?

動物管理センターという場所が、動物を保護したり処分をしたりするだけの施設ではなく、住民の命の危険に対し準備する施設である、ということをはずかしながら今日までわたしはあまり知りませんでした。

今、大阪府羽曳野市に建設中の新しい大阪府立の動物管理センターへの「殺処分機」の導入について、議論が活発です。署名も行われています。ネコアパートメントは処分機には基本的には反対です。しかし、行政側にはそういった「万がのときに人の命を守る危機管理システム」をいう大切な役割があることも、わたしたち活動家は忘れてはいけないと思いました。

なぜか?

もしも、狂犬病が発生した場合、そのウイルスが住民やそのペットに及ぶ前に食い止めるため、感染した犬を処分せねばなりません。そして、その凶暴化した犬を処分するのは誰でもない現場の職員さんです。処分機がなかった場合、犬を処分するのは職員さんによる点滴、注射になります。噛まれるリスクが非常に高いのです。ふだんから民間のあらゆる動物に関する問題を請け負う職員さんたちに、そういった万が一のときまで命をかけて処分しろ、とわたしはとてもじゃないけど言えないと思いましたが、これを読まれた皆さんはどう思われるでしょうか?

殺処分機の導入をかんがえる

しかし、「処分機」について反対をする人たちの思いもまた、痛いほど理解できます。わたしもふだんの殺処分に、炭酸ガスの処分機をつかうのは大反対ですし、そもそも殺処分という選択肢はあってはならないことだと思います。

大阪府の管理センターでは、現在「処分機による殺処分は行っていません。」これは現場の職員さんが、そうしたいと思って実現した結果です。(しかし、同時に1匹1匹を抱えて点滴し、麻酔注射をして措置する現場の獣医師たちの精神的ストレスにも、わたしたちは考慮すべきです。)
そして大阪市では、まだ炭酸ガス処分機を使っています。注射での措置へ切り替える議論はありますか?とお聞きしたところ、市では今のところそういった議論はないとのことでした。とてもじゃないけど数が多すぎて対応できないのだそうですが、議論すらないのは悲しいな、と思ってしまいました。

なので、本当に「危機管理上、用意をするだけでふだんは絶対に使用しない」のであれば、それを徹底的に説明し約束してほしいです。それでないと、愛護活動家の不安は絶対に取り除けないでしょう。

本当に処分機は必要なのか?

また、処分機の導入や維持メンテナンスにかかる費用は安くないと聞いています。
まだまだ財政の厳しい大阪において、お金がかかる殺処分機を、大阪府でも持ち、また大阪市でも持つ必要が本当にあるのでしょうか?ふだんの収容動物の措置(処分)にはけっして使用しないが、住民の安全のため危機管理上、大阪でひとつだけ処分機を所持する、というような(例えばですが)無駄のないやりかたがあるのではないでしょうか?(前回の勉強会では、近畿圏で一基を共同で所持する方向性にすればいいのでは?というアイデアも出ましたね♪)

大阪市でも大阪府でも同時に持っている必要がありますか?
それこそ大阪でいわれている二重行政そのものではないですか?
そこに使う税金をもっと職員を増やしたり譲渡できる動物を増やすことに使えないんでしょうか。

もっと効率的でいいやり方があるように思えてなりませんでした。

そういったこともふまえて、もう一度、わたしたちはあらゆる角度から「処分機の導入の是非」について考え議論してみることが大切だと思いました。行政側にすれば、動物の命を尊重していくことだけでなく府民の命を守る、ことも最優先項目であるからです。

偏らない視点で議論をすすめる重要性

動物愛護、という活動にわたしは少し足を踏み入れているだけですが、そこに携わわる方々と交流を通じ、動物を大事にしたいと思うのと同じくらいに、他の面にもフェアな視線を持てるようにしなければ、理解は広がっていかないことを強く感じています。地域ねこのや、保護動物の里親になること、いのちと終生向き合うことなど、動物と私達の一般への関心を広げることが、もっとも重要だと思っています。

大阪わんにゃんセンター視察会(いろんな資料があって勉強になりました♪)

なんだかかたい報告になってしまいましたね(´∀`;)
かわいい子犬たちのおはなしとか、楽しくてほっこりすることもありました。
皆様からのご意見、感想たくさんお待ちしています!